採用を始めるとき、「とりあえず求人を出そう」と動く企業は多いです。
でも今は、出しただけでは集まりにくい時代になりました。
だからこそ大事なのは、流行りの手法を追うことより、自社に合う採用の形を整えることです。
この記事では、いまの労働市場の変化を整理しながら、採用方法の選び方と、応募・面接でつまずかない工夫を
分かりやすくまとめます。
市場が変わった今、採用が「難しい」と感じる理由

「人が来ない」「面接まで来ない」「すぐ辞退される」。
これは、あなたの会社だけの問題ではありません。 採用が難しく見えるのは、前提が変わったからです。
いま起きている変化は、大きく3つあります。
- 働き手の数が減り、取り合いになっている
- 求職者は“比較して選ぶ”のが当たり前になった
- 会社の情報が、求人票以外からも見られるようになった
つまり採用は、「募集」だけではなく「選ばれる理由づくり」までセットになっています。
まずは、採用が詰まりやすいポイントを小さく分解してみましょう。
- 欲しい人物像がふわっとしている(例:明るい人、やる気のある人)
- 仕事のリアルが伝わっていない(何をするのか、1日の流れ、育て方)
- 連絡が遅く、途中で離脱される(応募→返信が数日空く、面接まで長い)
ポイントは「いきなり手法を増やさない」こと。
先に“詰まりの原因”を見つけるだけで、打つべき手がはっきりします。
採用手段は年々多くなって来ている

採用方法は年々増えています。便利になった反面、迷いやすくもなりました。
代表的な手法を並べると、こんな感じです。
- 求人媒体(新卒/中途)
- ハローワーク
- 人材紹介(紹介会社)
- ダイレクトリクルーティング(スカウト)
- SNS採用(Instagram、TikTok、Xなど)
- リファラル(社員紹介)
- 学校求人(高校・専門・大学)
- インターン/職場体験
- 合同説明会/地域イベント
「全部やれば良い」わけではありません。むしろ、増えるほどコストが増えていきます。
大事なのは、“合う手段を少数精鋭で組み合わせる”ことです。
| 採用方法 | 向いている会社 | 注意点 |
|---|---|---|
| 求人媒体 | 応募数を増やしたい/募集職種が一般的 | 競合も多く、差が出にくい |
| 人材紹介 | 急ぎで経験者が欲しい | 成功報酬が大きくなりやすい |
| スカウト | 欲しい人が明確/口説ける強みがある | 文面設計と運用の手間が必要 |
| SNS採用 | 雰囲気を伝えたい/若手採用 | 継続発信が必要、すぐ成果が出ないことも |
| 学校求人・職場体験 | 地元の若手を育てたい | 見学・指導など受け入れ体制が重要 |
自社に合う採用方法を決める「4ステップ設計」

ここからが本題です。採用を「運任せ」にしないために、選び方を4ステップにまとめます。
難しいことはしなくてOK。“順番”さえ守れば迷いが減ります。
まず最初にやることは「何のための採用か」を決めることです。
目的が曖昧だと、求人の文章も面接の質問も、全部がぼやけます。
例えば目的は、こんなふうに具体的にします。
- 現場の人手不足を解消したい(短期で埋めたい)
- 将来のリーダー候補を育てたい(長期で考える)
- 新しい職種を立ち上げたい(尖った人材が必要)
ペルソナは“理想の人”ではなく、“採用できそうで、活躍できそうな人”にするのがコツです。

年齢層:若手/30代/40代など
経験:未経験OK/経験必須/業界経験のみ必須
性格:コツコツ型/人と話すのが好き/一人作業が得意
価値観:安定重視/成長重視/家庭優先など
ここが定まると、選ぶべき採用方法も「自然に」絞れてきます
採用では、会社の良さを“自分たち目線”で語るだけだと刺さりません。
大事なのは、候補者が気にするポイントに変換することです。
強みを洗い出すときは、次の4つで考えると簡単です。
- 仕事:何を作る/支える仕事なのか(社会の役に立つ実感)
- 成長:未経験を育てる仕組みがあるか(研修、資格支援)
- 生活:働き方はどうか(休み、残業、勤務地、移動)
- 人:どんな人がいるか(雰囲気、年齢層、コミュニケーション)
強みは「凄いこと」でなくてOKです。
むしろ、当たり前のようにやっていることが、外から見ると魅力になっていることが多いです。
- 朝礼で今日の段取りを共有している
- 困ったら先輩にすぐ聞ける
- 仕事を任せるスピードが早い
- 地元で腰を据えて働ける
これらを“言葉”にできると、求人票や採用ページの説得力が一気に上がります。
最後は、採用方法を決めます。ここでやりがちなのが「不安だから全部やる」です。
でもそれだと、費用も手間も増えて、改善もできません。
おすすめは、「待つ×見せる」で1〜2本に絞ることです。
- 待つ:求人媒体、ハローワーク(応募を受ける)
- 見せる:採用ページ、SNS、会社見学(選ばれる理由を増やす)
ここまでできると、「採用が当たるか外れるか」ではなく、
「改善して当てに行く」採用に変わります。
採用でつまずく会社がやりがちな3つの落とし穴

採用がうまくいかないとき、手法の前に“やり方”で損をしているケースが多いです。
- 求人の文章が「仕事内容」より「条件」だけになっている
- 応募後の返信が遅く、温度が下がって辞退される
- 面接で会社説明が少なく、候補者の不安が消えない
対策はシンプルです。
- 仕事内容を“場面”で書く(午前・午後の流れ、誰と動くか)
- 応募当日〜翌日に一次返信する
- 面接で「最初の1週間」「育て方」を必ず伝える
“丁寧さ”より“分かりやすさと早さ”が効くことも多いです。
「続く採用」に変わる受け入れ準備の整え方

採用は「採用して終わり」ではありません。
受け入れ準備が弱いと、せっかく採用できても早期退職につながります。
最低限、ここだけは決めておくと安心です。
- 初日〜1週間の流れ(何を、誰が、どこまで教えるか)
- 質問先の固定(困ったときの1人を決める)
- “できたらOK”の基準(最初から完璧を求めない)
そして、この受け入れ準備は「応募を増やす」ことにも効きます。
なぜなら、候補者がいちばん気にするのは「自分でも続けられそうか」だからです。
まとめ:採用成功の鍵は「順番」と「言語化」

採用が難しいのは、あなたの会社が弱いからではなく、市場が変わったからです。
だからこそ、闇雲に手法を増やすより、順番を整えるほうが成果に近づきます。
最後に、今日からできる小さな一歩をまとめます。
- 目的とペルソナを1枚に書く
- 自社の強みを「仕事・成長・生活・人」で言語化する
- 採用ルートを1〜2本に絞り、改善できる形にする
- 受け入れ準備(最初の1週間)を決めて安心感を作る
採用は一発勝負ではありません。
小さく試して、直していけば、ちゃんと“合う人”に届くようになります。