
「就職活動なんて適当に企業を決めて内定もらったところに就職すれば良いでしょ」
「内定もらえればどこだって良い」
就職活動を行う前にこのように考えている人は多くいるのではないでしょうか?
アルバイトとは違い、就職はこの先何十年も勤めるかもしれない場所なのに、そんなに適当に決めてしまっても良いのでしょうか?
適当に決めてしまったばかりに、就職先が経営難で倒産してしまったり、理想とのギャップを感じて早期退職をしてしまう可能性があります。
そこで今回は、就職活動で後悔しない選択をするために大切な「企業研究」についてわかりやすく解説していきます。
企業研究とは

まず初めに企業研究について解説します。
難しく言っていますが、企業研究とは企業の「企業理念」「会社の規模」「会社の業績」などを、各企業のホームページや、実際に入社した人の口コミなどを調べることです。
しかし企業研究は単なる情報収集に留まりません。
集めた情報を基に「自分がその会社で働くイメージ」を具体的に想像し、自分に合った会社かどうかを判断してみましょう。
なぜ企業研究が必要なのか

企業研究が必要な理由は大きく分けて3つあります。
面接で利用できる武器を増やすため
長く働ける会社を選ぶため
自分に合った職場を見つけるため
企業研究を行わずに就職活動を行い、仮に自分が理想と感じた企業へ入社できた場合、自分が想像していた働き方だったり、社内の空気が違っていると理想とのギャップを感じてしまい、早期退職につながってしまいます。
企業研究を行えば、そういったミスマッチを最小限に抑えることができます。
面接で利用できる武器を増やすため
面接ではほぼ確実に「なぜ当社を志望したのですか?」と質問されます。
この質問に対して、具体的に答えることができるかで、あなたの熱意やどのくらい自分の会社について調べてくれたのかが伝わります。
また、志望動機だけではなく面接内で質問する内容を事前に用意することができたり、面接官との会話にも深みを出すことができます。
長く働ける会社を選ぶため
高卒で入社をすれば、大卒で入社をする人よりも長くスキルを積み上げることができ、経済的にも安定した生活を送ることができます。
定年まで同じ企業で働くとすると、企業研究の良し悪しであなたのこの先40年以上の未来を左右するかもしれない、大切な判断材料になるのです。
企業研究をしないとどうなるの?

企業研究をせずに就職先を決めてしまうと、以下のようなリスクが発生する可能性があります。
キャリアアップの機会を失う可能性がある
企業のホームページや企業説明会などで貰った採用パンフレットには、良いことばかり書かれているため、それだけを読んで入社をしてしまうと、労働環境や社風が自分の理想と合わずに「こんなはずではなかった」とショックを受け、早期退職をしてしまうケースが多くあります。
また、とりあえず就職できればどこでも良いと考えて入社した会社が、経営が不振のため給与が受け取れなくなってしまったり、早期退職を求められてしまう場合があります。
キャリアアップも望めない環境であった場合、貴重な若い時間を浪費してしまったり、一生低賃金で働かなくてはいけなくなるかもしれません。
効率的な企業研究の進め方

それでは、企業研究はどのように進めれば良いのでしょうか?
効率的に企業研究を進めるためのステップを紹介します。
まずは学校に届いた求人票をチェックしてみましょう。
求人票には、簡単な企業の説明と労働条件や採用予定人数が記載されています。
気になる求人票を見つけたら、その企業の公式ホームページを必ずチェックし、「企業理念」「事業内容」「採用情報」のページを閲覧しましょう。
※地元の小さな中小企業である場合、ホームページを作成していない場合があります。
企業説明会・求人サイト・SNSなどを利用して、企業の情報を収集してみましょう。
ホームページや採用パンプレットだけでは分からない発見があるかもしれません。
あなたが就活を行うのは、人生で初めてかもしれませんが、ハローワークの人や進路指導の先生は、毎年様々な生徒を見てきているため、有力な情報を持っていることが多いです。
積極的に相談をしてみましょう。
希望する企業にOBやOGがいれば話を聞いてみましょう。
企業説明会や会社見学へ積極的に参加することで、OBやOGに出会えるかもしれません。
集めた情報は必ずメモやノートにまとめておきましょう。
複数の会社を検討する場合、エクセルなどを使用して簡単に比較できる表を作成しておくと良いです。
自分が重視したいポイント(労働時間や給料、年間休日数など)は、すぐ比較できるようにしておくと頭の整理ができて良いでしょう。
情報収集をしている中で生じた疑問点もまとめておくと、面接時の質問として活用することができます。
企業研究で抑えるべきポイント

効率的に企業研究を進めるためには、以下のポイントを中心に情報を集めてみましょう。
労働条件
福利厚生と社内制度
教育研修制度の有無
会社の将来性と安定性
基本情報
会社の本社所在地や設立年数、従業員数や事業内容など公式ホームページを見て確認できることをまとめます。
親会社や系列会社の有無、売上高や業績の推移を公式ホームページ内に掲載している場合がありますので、確認をしておきましょう。
労働条件
採用された場合、初任給はどのくらいもらえるのか?ボーナスはあるのか?、労働時間や残業はどのくらいあるのかも調べておくと良いでしょう。
昇給の仕組みも調べておくと、他者との比較にとても役立ちます。
製造業やサービス業の場合、シフト制であったり夜勤が発生する場合があるので、その点も確認しておくと「こんなはずではなかった」を防ぐことができます。
福利厚生と社内制度
実家を出て一人暮らしをする人やマイホームを購入した人などに支給される「住宅手当」、遠方から通っている人に支給される「交通費手当」の有無を確認しましょう。
就職を機に実家を出て一人暮らしを考えているけど、初めてで不安だと感じる人は、社員寮や社宅を完備している会社もありますので、チェックしてみると良いでしょう。
他にも福利厚生として、誕生日休暇や家族記念日休暇などユニークな休暇を取り入れている会社もあります。
スキルアップ支援のために、資格取得支援制度を設けている会社もありますので、興味がある人は調べてみると良いでしょう。
教育研修制度の有無
企業に新しく入社してきた社員に向けて、業務に関わる専門知識などについての指導・育成をする新人研修や、これからの会社の将来を担う若手・中堅社員向けに次世代のリーダー育成を行う、若手・中堅社員研修などを取り入れている場合がありますので、調べてみると良いでしょう。
会社の将来性と安定性
高卒で就職を考える際、企業の将来性と安定性を見極めることは非常に重要です。
業界の動向や成長性、会社の今後の展望や過去の業績推移を分析することで、その企業の可能性を理解できます。
また、競合他社との比較を通じて、その企業の強みや市場での位置づけを把握することができます。単に現在の状況だけでなく、中長期的な視点で企業を評価することが、自分に合った職場選びの鍵となります。
成長が期待できる業界、明確な経営戦略を持つ企業、安定した業績を示す会社を選ぶことで、自分の将来の可能性を広げることができるでしょう。
企業研究で役立つおすすめの無料ツール
企業研究を行う場合、会社の公式ホームページ以外にも、求人サイトを閲覧して調べたりハローワークで企業の情報を収集したりする方法がありますが、他にも無料で利用できるおすすめのツールを紹介します。
Baseconnect

Beseconnectは、企業約100万社の基本情報を掲載しているサイトで、様々な業種から大企業だけではなく、中小企業など非上場会社の情報も簡単に調べることができます。


例えば、トヨタ自動車を検索すると設立年月日などの基本情報を簡単に閲覧することができ、同じ自動車業界で従業員数や売上、資本金額が近い会社を表示してくれたり、本社が同じ豊田市にある会社も閲覧することができます。
より詳しい情報を調べたい場合は、無料で会員登録をすると閲覧・ダウンロードができるようになります。
エンゲージ会社の評判

エンゲージ会社の評判は、日本最大の会社口コミプラットフォームで、求人情報サービス「エンゲージ」のエン・ジャパンが運営しています。
みんなが気になる年収を職種別に閲覧できたり、求人情報も簡単に調べることができます。
また、無料の会員登録をすると、実際に働いている社員の口コミを無制限に閲覧することができるので、会社の雰囲気を知りたいけどOBやOGに話を聞けない人におすすめです。
まとめ

今回は、企業研究は本当に必要なのかと、効率的な企業研究の進め方について解説しました。
企業研究は、自分にあった職場や今後長く働く会社を選ぶためにとても必要なことであり、企業研究を怠ると労働環境や社風が自分の理想と合わず、早期退職をしてしまう可能性が高くなります。
企業研究を行う際は、効率的に進めましょう。集めた情報は複数の企業と比較できるように、必ずメモやノートにまとめておきましょう。
企業のホームページや求人サイトだけではなく、Beseconnectなどの無料ツールを利用すると、さらに効率よく調べることができるのでおすすめです。
企業研究は単なる情報収集ではなく、自分の将来のキャリアを慎重に選択するための重要な取り組みであることを忘れないようにしましょう。