
高校卒業後の進路を考える時期になると、多くの人が「自分は何がやりたいのだろう?」と悩みます。
身近な人の中には「昔から〇〇になるのが夢だったから、△△に就職する」「〇〇で仕事がしてみたい」と明確な目標を持っている人もいるかもしれません。
しかし、実際には「特にやりたい仕事が見つからない」「自分に合う仕事が分からない」と悩んでいる人の方が多いのではないでしょうか?
そんな悩みを抱える高校生のために、この記事では「やりたい仕事が見つからない時」の考え方を5つ紹介します。
就職活動を始める前にぜひ参考にしてみてください。
やりたい仕事が見つからない場合の考え方
早速、やりたい仕事が見つからない場合の考え方を5つ紹介します。
やりたくないことから考えてみる
自分の強みを見つける
幅広い業界や職種を調べてみる
①「やりたいこと」よりも「できること」を考えてみる

多くの人が「やりたいこと」にこだわりすぎて、就職活動で苦労しています。
まずは、自分にできることに目を向けてみましょう。
例えば、学校の授業や部活動、アルバイトなどで培ったスキルや経験から、得意な科目・コミュニケーション能力・体力や忍耐力など、自分の強みを客観的に見つめ直してみましょう。
具体的な方法として、以下のようなことから「できること」を考えてみましょう。
得意な科目や課外活動
アルバイト経験
家族や先生から言われた長所
自分にできることが分かったら、それを活かせる仕事を考えてみましょう。
例えば、計算が得意であれば経理や会計事務所など、計算を必要とする職種がありますし、手先が器用であれば製造業や美容関係など、手先を使う職種があります。
このように、できることから仕事を考えると、「これならできそう」という自信を持って仕事に臨むことができます。
②やりたくないことから考えてみる

「やりたくないこと」を明確にすることで、仕事選びに役立つことがあります。
自分が絶対にやりたくない仕事や環境を明確にすることで、自分に合う仕事が見えてきます。
デスクワークは苦手
人とコミュニケーションをとりながら仕事をするのは苦手
体を動かす仕事は避けたい
など
上記のように、自分が避けたい環境や仕事内容をリストアップしておくことで、自分に合う職種や業界が絞り込めます。
例えば、人前で話すことが苦手だったり、休日が不規則な仕事は嫌だという人は、営業職や接客業などではなく事務職や製造業の方が向いているかもしれません。
この方法のメリットは、自分の中で「NG条件」が明確になるため、就職後のミスマッチを減らせる点です。
「これだけは避けたい」という条件を満たす仕事であれば、多少の困難があっても乗り越えられる可能性が高まります。
③自分の強みを見つける

「できること」がはっきりしない場合は、より客観的に自分の「強み」を探ってみましょう。
自分の強みを正確に把握しておくと、職種や業界を選択する時に、とても役に立ちます。
以下のような方法で自分の強みを発見してみてください。
家族や先生、友人に聞く
これまでの成功体験から分析する
性格診断テストの活用
客観的に分析することが難しい場合は、無料で性格診断テストが受けられるツールを利用して、自分の性格を分析すると自分の強みが見えてきます。
また、学校やハローワークでも性格診断テストを受けられる場合がありますので、確認してみると良いでしょう。
家族や先生、友人に聞く
家族や先生、友人など身近な人に「私のどんなところが良いと思う?」「どんな仕事が向いていると思う?」と聞いてみましょう。
「いつも周りに気を配ってくれる」と言われたら、介護や接客業のようなチームワークを必要とする職場で活かせる強みかもしれません。
「説明が上手でわかりやすい」と言われたら、教育関連や営業職のようなコミュニケーション能力を必要とする職場で活かせる強みかもしれません。
これまでの成功体験から分析する
細かい作業が得意であったり、クラス内で行動する際に先陣を切ることができるなど、自分の特性を客観的に分析してみましょう。
例えば、文化祭の準備であなたが計画を立てたとして、その計画通りに進めることができた場合、計画性や実行力が強みと言えますし、アルバイト先でお客様からのクレームをうまく対応することができた場合、問題解決能力やコミュニケーション能力の高さが強みと言えます。
⑤幅広い業界や職種を調べてみる

やりたい仕事が見つからない理由の一つに、知っている仕事の種類が少ないという点が挙げられます。
世の中には、あなたの知らない仕事があり、高卒でも挑戦できる仕事は数多くありますので、様々な方法で業界や職種を調べてみると良いでしょう。
インターネットで業界情報を調べる
就職情報サイトを見る
学校に保管されている資料から調べる
学校や図書館、ハローワークなどに行って就職ガイドブックを読んでみましょう。
就職ガイドブックとは、就職や転職を検討している人に向けて、就職活動の進め方や企業情報、業界情報などをまとめた冊子のことで、「就職四季報」や「業界地図」などが有名です。
インターネットで、気になる企業の業界情報を調べたり、就職情報サイトから様々な業種を調べる方法もありますし、学校によっては、OBやOGの就活履歴や就職先の情報を、資料として保管している場合がありますので、進路指導の先生や担任の先生に確認してみると良いでしょう。
意外と知らない?高卒でもチャレンジできる主な業界

高校卒業後でもチャレンジできる主な業界を、この記事でも紹介します。
建設業
情報通信業(IT)
小売業・サービス業
事務・オフィスワーク
運輸・物流
製造業
製造業は、高卒で就職する人がまず想像するであろう業界です。
自動車や半導体などの製造に携わる製造業は、単純作業が多くマニュアルもしっかりしているため、高卒や外国人が多い職種です。
残業もほとんどなく、転勤もないという点で働きやすいと感じる人が多い印象です。
建設業
建設業界では今、建築現場で働く作業員の高齢化が加速しており、若い人材を採用して人材育成に力を入れている企業が増えてきています。
体を動かすことが好きな人や、「住」という人には欠かせない住宅・ビルの建設に携わりたいと考えている人におすすめです。
情報通信業(IT)
IT企業でのプログラミングやネットワーク管理の補助などの業務があります。
高校でパソコン技術やプログラミングについて学んだ人、パソコンが得意な人に向いている業界であり、技術の進歩が早い分野なので、常に学び続ける必要があります。
小売業・サービス業
店舗での接客や販売、バックヤード業務などが主な業務です。
人と接することが好きな人に向いており、店長やマネージャーといった昇格も望めます。
また、アルバイト先として高校在学中からこの仕事を行なっている人が多く、アルバイトから正社員へ昇格できる「正社員登用制度」を採用している企業であれば、雇用形態を変更するという方法もあります。
事務・オフィスワーク
一般事務・営業事務・経理事務など、一口に事務といっても様々な種類の事務があり、正確さと丁寧さが求められます。
商業科高校の卒業生ではないと採用されないというイメージがあったり、無資格では務まらない業務のように思いますが、無資格でも採用するケースがあります。
運輸・物流
配送や倉庫での荷物管理などが主な業務で、体力と正確さが必要です。
近年では物流業界の需要が高まっており、高卒でも運転免許を取得していれば採用される確率が高まっている業界です。
高卒採用の求人って少ない?
厚生労働省が発表した「令和6年度高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」によると、求人数約48万2千人に対し求職者数は約12万3千人で、高校新卒者の就職内定率は63.2%(約7万8千人)、求人倍率は3.91倍となっています。
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また、高卒を多く採用した企業の規模を調べると、従業員数300人未満の中小企業での採用人数が全体の半数以上(54.7%)を占めていることが明らかになりました。
高卒採用の求人は少ないイメージがありますが、それは有名な大企業での採用が少ないだけであり、地元で活躍をしている従業員300人未満の中小企業では、高卒採用の求人を出している可能性が高いといえます。
高校生の就職内定率は大卒の就職内定率に比べると少ないですが、まずは地元の中小企業が募集している求人票を中心に確認してみると良いでしょう。
まとめ

今回は「やりたい仕事が見つからい」そんな時の考え方について5つ紹介してきました。
まずは、「やりたいこと」ではなく「やれること」を見つけてみたり、「やりたくないこと」をリストアップすることで挑戦できる業界や職種が見えてきます。
また、先生や家族、友人などから「どんなところが良いと思う?」「どんな仕事が向いていると思う?」と聞くことで、自分の強みを活かした業界や職種が何なのかが分かってきます。
幅広い業界や職種を調べてみるのも一つの方法です。
あなたが知らない仕事がたくさんありますので、就職情報サイトやハローワークで募集されている求人票などから、様々な業界や職種を探してみると、高卒でも挑戦できる仕事が沢山見つかる可能性がありますので、実行してみると良いでしょう。
やりたい仕事が見つからないことは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ早くから実務経験を積めることで、将来的に大きな強みになる可能性があります。
大切なのはあきらめずに自分を知り、様々な可能性に挑戦し続けることです。焦らず自分のペースで、自分の適性や興味にあった業界を探してみてください。